産業競争力会議「日本再興戦略2016」(素案)の概要・中短期工程表を読む

 日本経済再生本部 『第27回 産業競争力会議 配布資料』[リンク先は官邸ホームページ]の中から、概要と中短期工程表の案を読んでみた(2016年5月19日開催)。本当は本文を熟読すべきところであろうが、今日のところは拾い読み。

※以下、「=」記号は「中略」の意味
 概要版(案)(スライド3枚)でエネルギーに関する記述は、以下のとおり:
【冒頭】「構造改革」で、「電力=岩盤規制改革」
【③環境エネルギー制約の克服と投資拡大】で、「省エネ」「再エネ」「資源安全保障」「ネガワット取引市場の創設」「水書社会の実現」
【5.改革のモメンタムの活用】で、「分散型エネルギー=等のプロジェクトを=2020年に向けて実施し=我が国技術力等のショーケース化を図る」

 より詳細な内容が中短期工程表に書かれているので、エネルギーに関する項目と私の着目点を以下に整理する。

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平成27年度エネルギー白書(概要版)を読む

 前回記事「原子力ムラの孤立?」では、エネルギー政策のメジャーストリームから「原子力ムラ」がはじきだされたのではないかという分析を行ったが、一昨日(2016年5月17日)に公表された「平成27年度エネルギーに関する年次報告書(エネルギー白書)」[経産省ホーム-エージへのリンクです]でも、この傾向は明白である。まだ概要版しか見ていないが、原子力について、あるいは石炭の位置づけについて、かなりはっきりした傾向を見て取ることができる。
 本来であれば本文の分析を行うべきところであるが、なかなか時間が取れそうにないので、まずは概要版分析から。

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原子力ムラの孤立?

 以下の文章は、社会的な立ち位置で私の近くにいる人たち、つまり、原子力エネルギー利用は地球上からなくすべきだと考え、再生可能エネルギーの普及拡大に向けて、主に日本国内で活動する方々に向けて書くものです。もちろん、そうでない人に読んでいただいてもまったく差し支えありませんが。

 経産省が4月18日に決定した『エネルギー革新戦略』には、「原子力」という言葉が1回も出てこなかった。これは驚きであると同時に、なるほど、と合点がいくものでもあった。
 この「合点」に先立つ動きとしては、昨年7月にまとめられた『長期エネルギー需給見通し』の2030年見通しがあった。そこでは、電力供給について再エネが22~24%程度、原子力発電が22~20%程度とされていた。
 エネルギー政策や動向に関わっている多くの方は、原子力への賛否の立ち場と関わりなく、この原子力の比率を「2030年見通し」とすることについて相当違和感を感じられたのではないかと思う。確かブルームバーグが8.9%という数字を出していたはずで、10%台前半に到達できれば原子力の未来は明るかったのではないだろうか。

 しかし長期エネルギー需給見通しには「22~20%」と書かれた。『エネルギー革新戦略』に原子力への言及がないことに気付いたとき、真っ先に私が思ったのは「ああ、原子力ムラが孤立したな」という理解である。これが上記の「合点」。

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【道具箱】太陽光発電FIT価格算出シート

 調達価格等算定委員会で設定された各種金額(初期費用や操業費などに関わるもの)をもとにしてFIT価格を算出するワークシートです。オープンドキュメント型式。
 このシートではPMT関数を使って算出しています。同じようにPMT関数を使っても、収支の期首・期末区分や、年単位(20年なら20期間/このシートで採用)と月単位(20年なら240期間)で結果が少しずつ変わります。また、かつて内閣府がやったようにキャッシュフロー表を作って丁寧に算出する方法もあります。

 少しずつ差は出ますが、今のところFIT価格は円単位に丸めているので、参考計算する上で大きな支障はないはずです。

ファイルは下のリンクからダウンロードしてください。
「fit.ods」をダウンロード

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FITの認定出力と運転開始出力の推移(グラフ集)

 1つ前の記事『FITの認定出力・運用開始出力の見方(太陽光発電への批判に関連して)』で、太陽光発電以外についてはリードタイムが長いので現時点の時系列データを分析するのは時期尚早という趣旨のことを書いた。
 とはいえ、エネ庁からはFIT対象エネルギー源別に各月末の数値が公表されており、それをもとにしたグラフはすでに作成してある。
 読者のご参考までに、分析抜きでグラフのみを以下に示すことにした。なお、以下3点にご注意いただきたい。

・一部特記した図以外はすべて合計出力ベースである。
・「以下」「未満」の使い分けが正しくない部分がある(細かいことなので気にしていない)
・バイオマスについてはバイオガスのみを示した(それ以外はいろいろ複雑なので)

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FITの認定出力・運用開始出力の見方(太陽光発電への批判に関連して)

 FIT(固定価格買取制度)の運用面で、とくに太陽光発電で「枠取り」が多いのではないかという批判が出ている。
 表1は経産省が公表している2014年3月末時点での、FIT認定量と導入量(運転開始した出力合計)を示したものだ。この中の太陽光発電(非住宅用)について、FIT導入後2年度の導入量合計が約644万kW(70.4+573.5)なのに対して、認定容量はその約10倍の約6304万kWにのぼっており、その相当部分が「枠取り」ではないかという疑念が持たれているのである。

表1 再生可能エネルギー発電設備の導入状況
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[出典1]
経済産業省「なっとく!再生可能エネルギー」の固定買取価格ページ
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/index.html#setsubi
から、2014年3月末のpdf表を抜粋したもの。このページでは集計が整い次第月々のデータが更新されている。

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飯田市再エネ条例案がいよいよ煮詰まってきた

昨日、飯田市の再エネ条例案を議論する会合(地域エネルギービジネスコーディネート組織タスクフォース)があった。3月議会に提案するスケジュールで議論してきた結果、事務局の努力と各委員の的確な指摘により、すばらしい条例案がまとまりつつある。その概要をご紹介します。

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原子力とエネルギー政策に関する目標イメージ

 日本のエネルギー供給システムにおける原子力の位置づけについて、私が望ましいと考えるあり方に近いのは、下のイメージ図である。

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※出典:NPO法人環境エネルギー政策研究所『「3.11 後のエネルギー戦略ペーパー」No.1 Ver.2 (2011 年5 月6 日) 「無計画停電」から「戦略的エネルギーシフト」へ』

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FITへの建設的批判にのぞまれる論点整理

 今年7月1日に施行されたFIT法について、本ブログでこれまで何度も私見を述べてきた。
 それがようやくスタートして、自分の専門分野である小水力発電の開発に注力しているところだが、同時に、買取りの設定価格等に対する批判も耳にするようになった。
 本ブログでも書いたように、FITという制度で最も重要なのはチューニングであり、批判が存在することには大きな意義がある。しかしながら、批判の矛先がずれた方に向かうと非生産的な議論に陥る可能性もある。
 そこで、FIT制度を批判する際の論点の位置づけを整理することにする。

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『革新的エネルギー・環境戦略』を評価する

 2012年9月14日にエネルギー・環境会議が決定した『革新的エネルギー・環境戦略』(http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120914/20120914_1.pdf)を読んだ。この内容は高く評価していいと思う。「まず原発ありき、ほかはおざなりに」の政策からようやく脱したと言えるからである。

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