エネルギーが「再生可能」であることの物理的意味(3)

 第3回は地熱・潮汐力について考えます。再生可能エネルギーの大部分は太陽からの日射エネルギーを高熱源(低エントロピーエネルギー源)としているのに対して、地熱は地下深部の放射性物質が出す崩壊熱を、また潮汐力は地球の自転エネルギーを源としています。
 Wikipedia で「地球のエネルギー収支」という項目を見ると、前回定義した「地表圏」に対して太陽から流入するエネルギーが174PW(ペタワット)=174,000TW(テラワット)であるのに対して、地熱からが23TW、潮汐からが7TWだそうです。そして化石燃料が13TW。

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エネルギーが「再生可能」であることの物理的意味(2)

 前稿に引き続き、エネルギーが再生可能であるとはどういうことか、考えを進めます。本稿では太陽光発電を検討します。

 太陽光発電は太陽から地球に到達した日射エネルギーを直接受け止めて電気エネルギーに変換するので、エネルギー源は新たに到達する日射です。したがって、エネルギーを「再生」したという言い方に納得できないのは自然だと思います。
 しかし、、、

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エネルギーが「再生可能」であることの物理的意味

※「再生可能エネルギーという用語法への批判に反論」というタイトルだったのですが、しっくり来なかったのでタイトルを書き換えました。

 「再生可能エネルギー」という用語について、エネルギーそのものが再生されるわけではない、という批判がなされているようです。
 たとえば、再生紙であれば今読んでいるこの新聞紙のパルプがちり紙になって使われる一方、この蛍光灯が使った電力(低温の廃熱になってしまった)が再生されるわけではないのだから、「再生」可能エネルギーと言うのはおかしいかもしれない。

 しかしながら、パルプ繊維のような物体にはラベルを付けることができるのに対して、エネルギーにラベルは付けられない。あっちから来たエネルギーとこっちから来たエネルギーが混じった場合、合計のエネルギーがここに存在することになるが、どのエネルギーがどっちから来たのか、という問いは意味を持たないのです。
 以下の論理に依れば、エネルギーを「再生」可能と呼ぶことはさほど乱暴な用語法ではないと私は考えます。いやむしろ、積極的に再生可能と言っていいのではないでしょうか。
 ただし、時間スケールに関する論考も不可欠であり、これについては稿を改めて論じることにします。

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