石油価格の動向について整理

 石油価格の動向について私は、JBPress(スマートエネルギー情報局)掲載の藤和彦氏のコラムを一つの基準として参照している。昨今の当該コラム記事をベースにその他情報を総合して、以下のように整理してみた。

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化石燃料発電は、低利用率・高単価(燃料単価は低下)へ向かう?

 石油・石炭価格が安い原因の一つとして、国際的な気候変動対策が無視できないレベルの影響を与えているのではないか、と最近考えている。
 温暖化対策を進める側から言えば、化石燃料価格が上がってくれる方が対策が楽になるのだが、どうやら、化石燃料価格が上がる=供給に対して需要が強い状況は、温暖化対策としては不充分なレベルなのではないかと考えたのだ。価格が低迷しているにもかかわらず化石燃料需要が伸びない、それくらいの状況を作り出さなければ危険な気候変動が回避できないのではないかと。
 「化石燃料が安いのに、なぜ高価な再生可能エネルギーを使うのか」ではなく「再生可能エネルギーを積極的に導入し、化石燃料が『安いけど使われない』状況を維持する必要があると考え始めました。

 日本でも本格的な電力自由化が始まります。それについて最近目にとまる論調の一つが「化石燃料発電が相対的に不利になり、建設が進まず撤退し、調整電源が減っていくことを憂う」というものです。
 さて、ここから先は市場メカニズムに対する定性的な記述になります。市場メカニズムの議論である以上本来定量的でなければならないわけで、まあ、シロウトの床屋談義であることを先に告白します。

 「化石燃料発電が不利になる」と主張している方は設備利用率の低下を問題にすることが多いように見受けられます。しかし、調整電源である以上、それは当然。燃料系の発電は相対的に初期投資が安くランニングが高いのは当然ですよね。
 調整の効かない再エネ比率が上がれば、調整電源が必要な時間帯の電力価格が上がるのが自由化・市場化の意味ですから、利用率が低下しても売電単価が上昇する。そしてさらに化石燃料価格が低迷する。
 そうなれば利用率が低下した化石燃料発電も事業として成立するはずです(繰り返しますが、定性的主張です)。

 過去の電力ビジネスモデルと自由化・市場化したモデルでは条件が変わりますし、上記の通り気候変動対策が強化されるのと並行して燃料価格が低迷するのだとすれば、それも新しい条件です。
 あくまでも定性的考察ですが、化石燃料発電ビジネスが、低利用率・高単価(燃料単価は低下)を狙う方向に向かうのは自然な流れではないでしょうか?

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エントロピー概念でエネルギー問題を分析する場合に2つの視座がある

 エネルギー問題あるいは資源問題を考える際、エントロピー概念、あるいは熱力学第二法則を持ち出して「エネルギーの質」を問うことは大切だ。日本では槌田敦氏が早い時期に問題提起しているけれど、第二法則は熱力学の基本法則であり、エントロピーは基本的な量であって、資源問題にその考え方を適用することは、誰もが考えるべきあたりまえの知的作業だ。
 そしてこの知的作業をよく見てみると、実は2つのはっきり異なった視座があることがわかる。ここに注意しないと議論が混乱するので、簡単に整理しておく。

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消費税増税に反対する~デフレ社会ではフローではなくストックに課税を~

 今後数十年かそれ以上、デフレ・ゼロ(マイナス?)成長が続くと考えている。理由は、需要の飽和と資源制約である。日本に限らず先進国はすべて、そして他の国も追いついてくる(ゼロ・マイナスになる)だろう。
 そのような社会では、成長経済と違った政策が必要になる。たとえば元本保証で金利を取ってはならない(イスラム金融のルールのように)、など。
 税制に関して言えば、フローへの課税(消費税、所得税など)はできるだけ減らし、ストックへの課税に切り替えるべきだ。とくに、円への課税が効果的だと思う。

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円安になると電気料金はどうなる

 自然エネルギーの固定価格買取法案に関連して、これによって電気料金がどれだけ高くなるかの議論が始まっている。とりあえず、0.5円/kWhあたりが一つの目安として浮上したようだ。
 一方、日経の「社長100人アンケート」が7/15付同紙朝刊1面に掲載されていた。ここで望ましい為替レートについて、52.9%が「1ドル85円以上95円未満」を選んだそうだ。今より10円前後の円安が望ましいということだ。
 円安を望むと言うことは、電気料金が高くなってもかまわないと言うことだ。そこで10円の円安が電気料金にどれくらい影響するか、検討してみた。

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メモ:現金への課税

深尾光洋氏の理論、というより
「現金に対する課税というのは、ケインズの『一般理論』の23章に出てきていて、シルビオ・ゲゼルの銀行券に対する印紙課税と呼ばれるものですが、これは、中央銀行のエコノミストは大抵知っています」だそうだ。

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法人減税5%決定

 タイトルは、本日(2010/12/14)の日経朝刊一面トップの見出しである。

 記事中の首相の言葉「企業には国内に投資し、雇用を拡大し、給料を増やしてもらう。景気を引き上げ、成長を促し、デフレ脱却につなげたい」。
 このような効果はほとんど期待できないだろうというのが私の意見である。以前の記事に書いたとおり。

 以下、簡単に復習する。

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石炭ショックの予感

 10年以内に「石炭ショック」が起きるのではないかと感じ始めている。
 石油に関して、石油ショック -> 石油ピーク -> 石油枯渇 という時系列で自体が進行する(現在は石油ピークのあたり)のと同様、石炭についても、まず最初に石炭ショックが訪れるのではないだろうか。
 下の図は、公開された資料にもとづき"ぬり"さんが描いた石炭のR/Pの推移である。(出典:mixi、ピークオイルコミュニティー、石炭ピークトピック、#72)
R_p


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経済指標の次元解析、あるいは時間が分母にくる意味

 以下は、2009年9月20-21日に開催された第27回エントロピー学会シンポジウムの記録として、同学会誌第68号に掲載した内容(多少手を入れた)の前半である。後半は次のブログに入れる。
 ここで論じる「経済指標の次元解析」は、産業・経済・資源について、ストックとフローを「時間」次元から解析したものである。人前で最初にこの話をしたとき「あなたは哲学を数学で語る」という感想を聞いた。読者はどう感じるだろうか。

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法人税率を下げる必要があるかもしれない

 私たち「環境派」は成長を前提にした経済に疑いを持っているわけだが、そのことに言及すると「環境派は経済成長を止めようとしているとんでもない連中だ」という非難を浴びて、肝心の環境の議論ができなくなってしまうので、経済成長には触れない、あるいは「環境ビジネスを通じた経済発展」のような形で議論するスタイルを持ってきた。

 しかし、顕在化してきた資源制約をみても、あるいは長期化するデフレを見ても、もはや経済成長の終焉は避けて通れない検討課題になってきたのではないか。最近はそのように考えるようになった。

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