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トヨタ『MIRAI』はカモフラージュか?

 トヨタが「燃料電池」自動車『MIRAI』の市場投入を発表した。

 「燃料電池」とカギ括弧をつけたのには理由がある。エネルギー分野の専門家として「燃料電池」という言葉はやたらと使うべきでないと考えているからだ。
 一般の方だってガソリンエンジン(オットーサイクル)とディーゼルエンジンは区別する。「内燃機関自動車」という言葉を目にすることはまずない。なのになぜ「燃料電池自動車」と呼ぶのか? 「燃料電池」というのは技術の本質を見誤らせる不適切な言葉だと考えている。

 さて、トヨタのPEFC自動車『MIRAI』である。
 なぜわざわざ今になってPEFC自動車なのか? 「水素社会」が話題ばかりで実態がついてこないことを考えれば、商品として成立するとはとても思えない。では、なぜ?
 そこで思い出したのが、1999年に見学したホンダ「ツインリンクもてぎ」だ。

 当時は「ホンダが太陽電池に参入する」というニュースが話題になっていて、同所に写真のような、集光追尾式太陽電池が何種類か置いてあった。
Apict0005

 「なぜ今さら集光追尾式?」という疑問をかかえて帰ったわけだが、後で事情通に聞くと、化合物式た太陽電池の研究をしているとのこと。なるほど、これはカモフラージュであって、本命は化合物式か、と納得。実際その後、2006年にホンダソルテックを設立しCIGSに乗りだした(※1)。

 とすれば、トヨタが『MIRAI』初号機をPEFCで発表したのもカモフラージュかも知れない。
 ホームページでは「トヨタグループでの幅広い取り組み」として「水素利用につきましては、FCVだけでなく、トヨタグループをあげて開発を推進しております。(中略)アイシン精機では、家庭用の燃料電池に取組み、発電効率46.5%という世界最高水準のものを、2012年4月から発売しています」と書いている。アイシン精機の家庭用コジェネはSOFCだ。
http://www.toyota.co.jp/jpn/tech/environment/fcv/

 おそらくトヨタはガソリンを燃料としたSOFC自動車に目処をつけたのではないだろうか? その実用化に向けた試験を進める間、カモフラージュするためにPEFC自動車を発表したのだと、私は想像している。数年後、「ガソリンで走る新型の燃料電池自動車」を市場投入してくれることに期待したい。


(※1)ホンダソルテックは、シリコン価格の低下による市場価格下落を理由に2014年に解散、ホンダは太陽電池事業から撤退している。

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コメント

参考となるニュース
スマートジャパン『コンビニと結び付く水素、電力の5割を賄う未来』
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1412/11/news040.html

投稿: dai(ブログ著者) | 2014.12.12 16:56

参考情報

日経テクノロジーオンライン『トヨタが燃料電池車の特許を無償開放へ』
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/EVENT/20150106/397240/?n_cid=nbptec_tecml&rt=nocnt

投稿: dai | 2015.01.06 13:58

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