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今FIT制度に必要なのは運用の見直しだ、ただしバブルは消せない

 池田信夫氏が不思議な論説を書いている。ニューズウイークのコラムだ。以下にリンクを張っておく。

池田信夫『誰が「太陽光バブル」を生み出したのか』(ニューズウイーク)

 この論説の不思議なところは、途中までは現状認識も論理展開も妥当に進んでいるのに、最後になって結論が飛躍するところにある。つまり「この原因は単純である。電力会社が買い取る価格が高すぎるのだ」と認識しておきながら、結論で突然「制度を見直すべきだ」と飛躍するのが不思議だ。(※1)
 買取価格は制度の運用にかかる話であり、太陽光発電の高すぎる買取価格が問題であればそれを下げれば良いのであって、制度を見直す必要はない。
 風力や、地熱、小水力では買取価格に大きな問題はなく(※2)、FIT制度下で淡々と導入が進んでいるのだから、太陽光発電のみについて、FITを「卒業」させる段階に来たという認識の下で今後の価格等を検討すれば良いというのが私の認識である。

 ここで池田氏の論説を離れよう。
 では、太陽光の買取価格を大きく下げれば問題は解決するのか? 残念ながらそれはできないのである。すでに認定してしまったものは申請者に非がない限り取り消せないし、生じてしまったゆがみは戻せない。FIT制度をどのようにいじったところで、変えられない。
 唯一の方法は、制度を変えて過去に遡及させることであるが、新エネ小委員会で工藤委員(三井住友銀行執行役員)が指摘したように、日本政府が制度変更を過去に遡及させるということになったら、あらゆる対外取引に政策リスクが影響しジャパンプレミアムが生じてたいへんなことになってしまうだろう。

 「制度を変えろ」と主張する人は、制度を変えればバブルを適切に処理しゆがみをただせるようにお考えのように見える。しかし、すでに確定的に生じてしまったゆがみはいまさら戻せない。
 今できることは、今後ゆがみが拡大することを予防することであり、そのためには運用を改善すれば充分である。

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