« 小水力発電シンポジウム(7月22日、東京都千代田区星陵会館)のご案内 | トップページ | 日本には3種類の保守が »

技術者集団とシビリアンコントロール

 「シビリアンコントロール」(文民統制)という言葉は、戦争に関する重要な意志決定(開戦決定や目的設定など)を軍人に委ねないという意味で使われる。
 しかし軍隊だけでなく、社会インフラに関わる技術者集団に対しても、同じような外部コントロールが必要だと私は考えている。たとえば河川土木技術者集団など。

 そして、今話題の原子力規制委員会人事においても、同じことが言えるだろう、と。

 「社会インフラに関わる」技術者集団、というように限定する意味は、そこで扱う技術の公共性が強く、技術の適用(建設などの行為)に公共的な資金が投じられ、技術者の雇用や育成が公共的に行われる、ということである。そしてこのような技術者集団は、独占的なヒエラルキーを構成することが多い。

 これが軍隊とよく似た性質であることはおわかりだろう。公共的事業に関わる意志決定を、専門家、すなわち独占的技術者集団に委ねてしまうと、集団の論理、つまり集団の自己保存や過去の価値観におおきく左右されるおそれがある。
 したがって、このような技術者集団に対してもシビリアンコントロールを意図的に導入することが必要だ。

 原子力規制委員候補者が原子力関連団体から報酬を受け取った云々が議論されていたが、それ自体は表面的なことだ。本質的はそこではなく、原子力のプロは原子力で飯を食っている、というところにある。まれなスピンアウトを除いて、原子力の専門家と呼ばれる人は、独占的技術者集団の中にいるのである。
 したがって、意志決定を行う場には専門家を入れてはいけない。重要な意志決定は専門家集団の外の人間=シロウトが行わなければならない。

 国会の委員会であれば、族議員以外の国会議員が入れば良いが、政府の委員会の場合、そこが政府としての意志決定の場になるのだから、委員人事ではシロウトであることを条件にしなければならない。
 かつて淀川流域委員会というユニークな委員会でダムの是非が議論されたが、独占的技術者集団が関わるような政府の委員会は、すべてそのような形を目指すべきではないかと思う。

|

« 小水力発電シンポジウム(7月22日、東京都千代田区星陵会館)のご案内 | トップページ | 日本には3種類の保守が »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/35133/55383719

この記事へのトラックバック一覧です: 技術者集団とシビリアンコントロール:

« 小水力発電シンポジウム(7月22日、東京都千代田区星陵会館)のご案内 | トップページ | 日本には3種類の保守が »