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4月3日の調達価格等算定委員会

 全国小水力利用推進協議会事務局長として、経産省主催の「第4回調達価格等算定委員会」でプレゼンをしてきた。
 国家戦略室のコスト等検証委員会が発電原価に関わる数値を昨年末にまとめており、それを基礎にして買取価格を決めることや、事業収益性の評価基準としてIRRを使うといったことをエネ庁が言っているので、今回のプレゼンに向けて、その分析を行ってみた。

 まずはもろもろのリンク。

・調達価格等算定委員会
http://www.meti.go.jp/committee/gizi_0000015.html
(私が発表した第4回の資料は、本稿執筆時点ではまだアップされていない)

・私のプレゼン
「j_water120403.pdf」をダウンロード
(結構あちこちにミスがあるけれど、当日使用したファイルをそのままアップ)

・コスト等検証委員会
http://www.npu.go.jp/policy/policy09/archive02.html
(発電コスト試算シート(平成23年12月19日)というところにExcelファイルとして関連データがアップされている)

 小水力に関して言うと、コスト等検証委員会は40年の事業期間を想定し、割引現在価値によって発電原価を算出している。これによって算出される原価と、IRRなどによって決める買取価格との関係は単純ではないが、算出根拠となる数字が公開されているので、それをもとにキャッシュフロー表等長期の財務諸表を作成すれば買取価格を算出することが可能だ。
 具体的な算出方法は上記「私のプレゼン」に書いてあるので参照していただくとして、結論、つまりコスト等検証委員会が採用した原価を元に算出した小水力発電の望ましい買取価格は次のようになる。

[モデル発電所想定] コスト等検証委員会では200kWモデルを使用。
[原価条件] コスト等検証委員会の下限・上限ケースについて
 ・下限ケース:建設費=1.6億円、操業費:1470.2万円
 ・上限ケース:建設費=2.0億円、操業費:1508.0万円
[利潤条件] 買い取り価格算定のための適正な利潤を、税前IRR=7%と定めてみた。

[算定結果] 買い取り価格は、以下のようになった。
 ・コストが下限ケースの場合:28.84円/kWh
 ・コストが上限ケースの場合:34.06円/kWh

 これまで私たち(全国小水力利用推進協議会)は、1000kW~200kWの発電所については25円/kWh以上、200kW以下の発電所については30円/kWh以上の買い取り価格にしないと普及が進まない、ということを主張してきた。上の結果を見ると、何のことはない。国家戦略委員会が出した原価をもとにして、ドイツなどと同様税前IRR=7%という条件をかければ、自動的に私たちが主張してきた金額になったのである。

 「審議会のヒアリングだから自分たちの意見をしっかり主張しなければ」と気負っていたところこんな結果になり、なんだか肩すかしを食らった気分になったわけだが、別に悪いことではないので、そのまんまプレゼンを行うことにした。その結果が上記「私のプレゼン」である。

 その後、他の新エネについても同じような計算をしてみて興味深い結論を得たのだが、一旦ここで稿を変えることにする。 

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コメント

今回のヒアリングを聞いていて気になったのは、どの分野の人たちも自分たちは幾らいくら欲しいという事のみであった。そもそも、制度設計上サーチャージに幾ら支払う事になるのかは国民全体で気になるところだが、電力企業が回避可能分を支払うにしろこの回避可能分がざっくり二四時間平均になるのか時間帯別になるのかなどの議論もきっちりされていない事が実は今後大きな問題となると言う風な事を言った人たちがいないのが不思議。

投稿: 「太陽光・風力発電トラスト」運営委員・中川 | 2012.04.04 22:03

中川様
 コメントありがとうございます。
 第一回委員会で議論されていたように、調達価格等算定委員会で議論すべき内容は買い取り価格と期間であり、それ以外を答申する役割ではないとのことです。全く議論してはいけないという意味ではないので国民負担についての議論もある程度はするような話になりましたが、中川さんがおっしゃるようなサーチャージの詳細な制度設計はこの委員会では話題にならないだろうと思います。
 法律上は経産省が決める内容でしょうから、同省に対して意見を言う場を作らないといけないですね。今のままだと、回避可能原価は24時間平均計算になると思います。

投稿: dai(本人) | 2012.04.05 06:41

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