« 石油火力発電燃料代の計算方法 | トップページ | 尿中の放射能濃度と体内被曝量(セシウム137の場合) »

覚え書き:産業用電気料金はいくらぐらいならいいのか

 産業用の電気料金が上がると国外に逃げ出してしまい、国内産業が空洞化すると主張する人が結構多い。本当だろうか?

 まず、過去の国外脱出の典型例。アルミ精錬。
 しかしこれは国外脱出と言うよりも、大陸河川の大水力発電電力(数百万キロワット級、世界で最も安い電気)が使える地域に集中したとすべきだろう。コストに占める電力費が圧倒的に大きいので、他の電力では太刀打ちできない。

 原則的に言って、エネルギーコストが原価の高い比率を占める産業は、もともと日本に向かないのだ。そういう産業を無理に引き留めるより、日本に向いた新たな産業を興すことの方が賢い。

 基本的に、素材産業は、国内消費分(加工して輸出する分を含む)はできるだけ国内で作るようにし、素材輸出は輸出先で生産するという方向にいくものだと考えている。

 さて、産業用電気代。
 「高くなっていいですか」と聞けば「安い方がいい」と答えるに決まっているので、そのレベルの議論は不毛。どうがんばっても石炭が上がれば電気料金は上がるし。

 ではいくらぐらいが目安になるのか。
 品質とのトレードオフが一つの目安。品質と言っても、ここでは主に停電頻度。
 停電頻度が低いけど電気料金が高いのと、電気は安いけどしょっちゅう停電するのと、どっちがいいか。

 業種による違いもあろうが、現在国内にある製造業で言えば、高くても停電頻度が低い方が良いとするのが多数ではないだろうか。
 その場合、どの程度の価格が許容範囲になるだろうか。

 一つの目安は、ディーゼル発電原価ではないかと考える。つまり、自家発電の方が安い、というところまで電気代が上がると、だったら海外で自家発電しても一緒じゃないか(行った先の停電頻度が高くても関係ない)となるからだ。自家発電より安い電気が安定的に供給されるなら、日本にいるメリットがある。

 石油に補助金をつけている国や産油国を別にすれば、ディーゼル発電燃料(A重油)代の格差は小さいだろう。
 現在、日本のディーゼル発電の燃料代は16円/kWhくらい。一般の産業用電気料金は11~12円/kWh程度だろうか?そうだとすれば、2-3割高くなっても大丈夫ではないか、という考え方ができる。

 その代わり、停電頻度が高くならないようにする努力はもちろん必用だ。電気料金も停電頻度も高くなる、というのでは困るだろう。

|

« 石油火力発電燃料代の計算方法 | トップページ | 尿中の放射能濃度と体内被曝量(セシウム137の場合) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/35133/52119772

この記事へのトラックバック一覧です: 覚え書き:産業用電気料金はいくらぐらいならいいのか:

« 石油火力発電燃料代の計算方法 | トップページ | 尿中の放射能濃度と体内被曝量(セシウム137の場合) »