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2011年7月の石油火力燃料代

 今回は、JX日鉱日石エネルギーの7-9月期大口向け低硫黄C重油価格で計算します(8・9月もその予定)。また、ボイラー焚き石油火力発電効率(送電端)は、今回から36%にします。ディーゼルは38%のままです。

[算出結果]
 C重油価格71,800円/kLとして、17.43円/kWh(CO2排出費用1.02円/kWhを加算すると、18.44円/kWh)となりました。後で説明しますが、フクイチ後の石油火力燃料はかなり高くなっているようです。

 ディーゼル発電を想定してA重油で計算すると、A重油価格64,500円/kLとして、15.63円/kWh(CO2排出費用0.93円/kWhを加算すると、16.56円/kWh)となりました。
【追記】:スマトラライトを想定すると、15.29円/kWh(16.26円/kWh)となりました。

 6月の計算まではスポット取引価格を使っていましたが、今回はC重油について元売りの大口向け販売価格を採用(A重油は従前通り)し、これがスポット物よりかなり高かったため、上記のようにボイラー焚きが割高になっています。(理由は後述)

[算出根拠]
 C重油価格71,800円/kLは、7/29付日経商品欄掲載の、JX日鉱日石エネルギーの7-9月期大口向け低硫黄C重油価格。A重油価格64,500はこれまでどおり、日経掲載の最近のスポット価格からの高値(月前半が高かったから)。
 発電効率は、ボイラー焚きについて、先の記事に掲載した検討内容や、櫻井啓一郎さんのブログ記事データ(※)を参照して、最終的に36%に決めました。ディーゼルはこれまでどおり38%。
 CO2排出費用は、ICE(※)が公表している欧州市場の最新データ(2011年12月決済ものの7/29日取引金額)12.31E/tCO2。
 ユーロ価格は財務省統計(※)から7月の平均値115.17円/E。

※関連リンク
・櫻井啓一郎さんのブログ記事(2008年8月21日)
http://ks.nwr.jp/d/?date=20080821
・ICEデータベーストップページ
https://www.theice.com/marketdata/reports/ReportCenter.shtml
・財務省統計外国為替相場トップページ
http://www.customs.go.jp/tetsuzuki/kawase/index.htm

[C重油価格の元データを変更した理由]
 ボイラー焚き石油火力の燃料としては低硫黄原油とC重油が主に使われています。このうち低硫黄原油の価格は、毎月2日頃に日経に掲載される、前月のスマトラライト価格を拾っています。一方C重油については、3ヶ月に一度改訂される(日経に掲載されるが、見落とすこともある)大口向け取引価格と、毎日のスポット価格を拾っています。そしてこれまではこの3者の差異が小さかったことから、日々の変化を追う意味でスポット価格を中心に分析してきました。
 ところが7月29日の日経に掲載された大口向け3ヶ月価格は、スポット価格と大きく乖離しています。
 そこでどちらの金額を採用するか検討し、現実に発電所で大量消費されていることと、フクイチの影響が火力発電原価にどのように影響しているかをマージナルな側面で示した方がよかろうという判断で、大口向けの方の金額を採用しました。
 スポット価格にもとづき算出した結果は、以下に示します。また、8月2日の日経にスマトラライト価格が出たら、それにもとづく結果も算出し、追記するとともに、上記検討内容を再考する予定です。 

[スポット価格を使ったボイラー焚きの計算]
 7月の、スポット物C重油価格(日経商品欄)は、61,500~62,000円/kLでほとんど変動がなく、一時期少し安くなったことがあったので、61,500円/kLを採用します。
 その他の数値は上記[算出根拠]と同様として、燃料代は15.66円/kWh(CO2排出費用1.02円/kWhを加算すると、16.67円/kWh)となります。

[スマトラライト価格を使ったボイラー焚きの計算]
【8月2日追記】
 日経に掲載された7月のスマトラライト価格は119.03usd/bblでした。
 ユーロと同様の出典によるドルレートは80.46jpy/usdでした。
 他のデータは上記と同様として計算すると、スマトラライト燃料による火力発電燃料代は15.29円/kWh(16.26円/kWh)となります。

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