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藤波心氏のブログと、デマンドサイドマネジメント

 中学生アイドル藤波心氏のブログ『ここっぴーの★へそっぴー』が原発・報道・電力供給などについて踏み込んだ記述をし、話題になっている。早速読んでみた。http://ameblo.jp/cocoro2008/entry-10839026826.html

 まず、中学生がここまできっちりと社会的発言を行ったことを評価すべきだろう。論理的にも文章的にもしっかりしている。原発の是非などに関する結論しか考えない大人たちがあーだこーだ言うのは論外。ネット社会の今、子どもたちがきちんとした文章を公表することを促し、ほめることは大切だ。

 また内容面については、デマンドマネジメントについて、この言葉は知らないようだが論考していたことに脱帽。病院の駐車場のできごとから電力需要管理を発想できる知性に驚きを覚えた。
 こころちゃんに触発されたので、過去に友人と自分が書いたデマンドサイドマネジメントの記事をご紹介することにしよう。

 1988年から99年まで、仲間たちと分散型エネルギー研究会という活動を行っており、ミニコミ誌『分散型エネルギー』を発行していた。以下の記事は、『分散型エネルギー21号』(1994/04/01)に掲載したものである。
 なお、近いうちに同誌全号をスキャンして公開したいと考えている。

野中逸男「ディマンドサイド・マネジメントの考え方」
記事(pdfファイル)をダウンロード

中島大「サクラメント電力公社におけるDSMの実例」
記事(pdfファイル)をダウンロード

 デマンドサイドマネジメント(DSM)の考え方それ自体はエイモリー=ロビンスが提唱したものだと思うが、電力会社が実際に行って大きな成果を上げた例としてはサクラメント電力公社(SMUD)が有名である。
 トラブルの多かったランチョセコ原発について、1989年に住民投票で廃止が決定された後、同公社は原発に代わる電源として需要側資源(節電発電所)に投資することを決め、多種多様なDSM手法を開発した。これが世界的に高く評価されたのだ。
 日本の電力業界ではまじめに取り組む動きが出なかったが、福島第一原発の事故を経験した今、大いに参考にすべきではないだろうか。

 なお、記事カテゴリーとした「統合資源計画」(Integrated Resource Plan)はDSMの背景となる、供給側資源と需要側資源を対等のものとして投資計画を立案する手法である。

ランチョセコ原発に関する参考文献
「ランチョセコ原子力発電所をめぐる動き」
財団法人高度情報科学研究機構「原子力百科事典 ATOMICA」より
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=14-04-01-09

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コメント

今こそ注目したいですね、デマンドサイドマネジメントのこと。フォロワーが少ない私では頼りないのですが、必ずリツイートしますので、わかりやすい紹介をツイートしていただけたら幸いです。

投稿: 山木美恵子 | 2011.05.12 01:05

山木様

 コメントありがとうございます。
 ご提案のとおり、ツイートすることにします。

投稿: dai(本人) | 2011.05.12 07:20

(ブログ著者がコメント入れます)
 今朝の日経一面コラム「春秋」に次のように書かれていました。

【以下、引用】
 「節電所」と聞いてもぴんとくる人は少ないだろう(中略)節電にはその分の電気を作るのと同じ効果がある(中略)これが発電所のかわりになるとは、目からウロコだ。
【引用終わり】

 1980年代にロビンスらが提唱し、サクラメントで実践が行われ、1990年代に世界的に有名になった考え方に、ようやく日本も追いついてきたようで、嬉しい限りです。
 ただ、今頃目からウロコを落とすあたり、日経新聞のガラパゴス度も相当なものですね。

投稿: dai(本人) | 2011.05.21 09:28

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