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兵器としての宇宙太陽光発電

(9/29に掲載した後、9/30に若干書き換えました)
 宇宙太陽光発電がときどき話題になる。
 感覚的に、実用的な発電ができる気がしないのだが、そのことを説得的に主張しようとすると大変だ。それゆえ、できそうに思わないけど勝手にすれば、といった態度を取ることにしている。
 しかし一方で、兵器として考えた場合にはかなり意味があるように見える。かつて、たしかレーガン大統領の時代に、「反射衛星砲」(松本零士『宇宙戦艦ヤマト』)とよく似た兵器の開発計画が宣伝されていたくらいだから。
 以下、論説というレベルの内容ではないが、考えてみたことを覚書として書き留めておきたい。

 調べものをしていたら、こんなニュース(半月ほど前だが)に出合った。ジェット機に搭載できるレーザー砲で大陸間弾道ミサイルを迎撃しようという話である。
http://www.technobahn.com/cgi-bin/news/read2?f=200809092116

 「宇宙太陽光発電所」(という兵器?)から地上にエネルギーを送る方法として、レーザーとマイクロ波が検討されているようだが、まず、レーザーの場合を考えてみよう。

 実用性を考えれば数百キロ以上の射程はあるだろうから、衛星に搭載することも当然可能性として考えていることだろう。
 ただし、「反射衛星砲」の場合にはエネルギー源が地上にあるのでいつでも発射できるが、宇宙太陽光発電所からのレーザービームでミサイルを迎撃するためには、発射地点からアメリカ本土までのどこかが日照時間帯でなければならない。
 とすると、夜間は航空機、昼間は太陽光発電衛星というコンビネーションが必要。とはいえ、発電所兼用の軍事衛星が昼間の防衛を担ってくれれば、それなりにエコノミーな防衛システムになるかもしれない。「アトムフォーピース」ならぬ「ソーラーフォーピース」。

 もう一つ、スナイパー衛星という可能性もあるのではないかと考えている。敵対的国家の指導者は、晴天の日には屋外で演説できない、というプレッシャーは、外交的に一定の効果をあげるだろうと思う。独裁国家の指導者は昼間外を歩けない(のがいやだったらアメリカと仲良しになろう)。

 ところで、宇宙太陽光発電(軍事ではなくエネルギー利用)について「24時間発電可能」という宣伝文句がついてくるが、だとしたら赤道上空付近を飛ばすか、地球から相当離す必要がある。
 しかし、エネルギー消費の多い国々の多くは中緯度地域にあるので、赤道上空付近を飛ばしてもあまり意味はない(防衛的にも、エネルギー的にも)。
 だとしたら、地球から離すか?
 静止衛星軌道まで離すのが一番現実的。ただし、かなり地球から遠くなるので、ビームの精度を相当高める必要がある。加えて、そこまで重量物を持ち上げて「発電」としてペイするかどうか。また、さまざまな静止衛星がすでにひしめき合っている。
 とりあえず、難しい、としておこう。

 ということで、選択肢は
(a)常時日射がある衛星軌道で、地球から結構遠く(数千km)
(b)常時日射をあきらめて、数百km
といったところか。
 そして、(a)は「中途半端やのー」なのでとりあえず除外して、(b)としよう。

 (b)としたということは、1日12時間発電ということになる。そして1日12時間発電であれば、砂漠に設置する太陽光発電と、正味発電時間でも大差ないということになる。したがって、エネルギービームを都市の近く(中・高緯度地帯)で受けなければ意味がない。
 また、アメリカだけでビームを受けられる時間はさらに限定されるので、同盟国上空を巡回して、同盟各国が順次エネルギー受信するというシステムになる。

 そう。世界中にアメリカの同盟国が散在していれば、その周辺が昼間である時間に、常時宇宙太陽光発電所からのビームが到達し、エネルギー利用できる。
 そして同時に、その近隣に「けしからぬ国」があれば、その国の元首の頭上にレーザービームが、、、

 宇宙太陽光発電に関して私の脳みそで考えるかぎり、エネルギー利用より軍事利用の方が現実的としか思えない。

(ここまで、2008/09/29記)

 そうそう、レーザーの場合しか考えなかったが、マイクロ波も検討しておこう。マイクロ波は長距離を飛ばすと拡散するので、低空(数百km)だけ考えればいいだろう。それでも結構拡散するだろうけれど。

 まず地上で受信する側のエネルギー密度を考えてみよう。
 日射のエネルギー密度は、日本の緯度の水平面で、湿度が極めて低い日において、1kW/m2程度である。したがってこの程度のエネルギー密度だったら、宇宙を使うより砂漠に太陽電池を並べる方が合理的ということになる。
 たとえばその100倍、100kW/m2くらいなら、合理性があるとしよう。
 これはちょうど電子レンジくらいのエネルギー密度(10センチ四方に1kW)だ。ネコを乾かそうとして電子レンジに入れたら死んでしまった、というニュースを以前見たことがあるので、このエネルギー密度は数分以内で人間を焼き殺せるエネルギー密度ということになる。

 一方、ミサイルを破壊する方はどうだろうか? 正直よくわからないが、秒単位の時間でミサイルを破壊するためにはさらに数桁大きなエネルギー密度が必要ではないかと思う。
 マイクロ波が拡散することも考えると、ミサイル撃墜用ではなくスナイパー用が現実的なように思えてくる。
 たとえば、百万kWのマイクロ波を地上の1万m2(100m四方)の受信設備で受信するとすると、エネルギー密度は100kW/m2になる。「けしからぬ国」の元首と元首の演説を聞きに広場に集まった市民、あるいは軍人を焼き殺すのに手ごろな規模だ。

 最後に整理しておこう。
 宇宙太陽光発電に関する報道を読む場合、兵器としての位置づけを考える上では以下の内容をチェックする必要がある。
 まずは、当然ながら伝達方法。レーザーなのかマイクロ波なのか、そして波長。
 次に衛星の軌道。静止軌道なのか、静止軌道より下だが高緯度でも日射を受けられる高度なのか、数百kmなのか。静止軌道より低い場合、どのような軌道を飛ばすのか。
 そして地表の受信地点の精度がどの程度になるのか。とくに静止軌道の場合地球から遠いので、どの程度の精度が確保できるのか。
 静止軌道より低い場合には、受信地点をどのように配置するのか。これは軌道と関係してくる。あくまでも平和利用の発電所という名目で開発するわけだから、合理的にエネルギーを配達できる軌道を飛ばなければならない。衛星の数と軌道が、軍事利用としてどうか、ということになる。
 地表におけるエネルギー密度も重要だ。そしてそれが雲や湿度などの影響でどの程度減衰するか。レーザーでもマイクロ波でも、減衰の程度によって地上攻撃の実用性が違ってくる。曇天時でも地上である程度のエネルギー密度が得られれば、結構用途が広がる。
 弾道ミサイル撃墜用の場合は、成層圏に出るので大きな影響はないだろう。

 まあ、今日のところ思いついたのはこんなところ。

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コメント

宇宙太陽光発電はパラメトリックスピーカーを搭載し、宇宙からのマイクロ波の到達度を地上の一般人被験者で実験しているらしい。
パラメトリックスピーカーはマイクロ波・赤外線・超音波に音声を乗せ、遠方にいる人物の人体にそのビームを照射する事で音声を届けるシステムだが、その被験者は本人の承諾無く無断で行われているそうだ。
噂だと韓国や中国、創価学会の人工衛星から行われているとも言われている。

皮膚火傷や内臓疾患、人体にあらゆる疾患を生じさせ、人体に甚大な影響があるらしい。その実験の結果が電磁波攻撃と言われ大変問題になっている。

投稿: 武器転用反対 | 2013.04.26 09:17

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