« Long-Term World Oil Supply Scenarios を読み解く<1> | トップページ | シェル社長文書の意味するもの »

石油価格

このところ忙しくてブログを書いていないけれど、石油価格が何かと話題になるのでちょっとだけ。

 石油に関する私の意見は相当に関岡正弘さんの影響を受けている。
 関岡さんの主張で「なるほど」と思うポイントは一つではなくいくつかある。その一つは「原油価格は需給で決まる」ということ。ニューヨーク先物を中心にいろいろな人がいろいろなことを主張しているけれど、現物をその値段で売る人がいて、その値段で買う人がいるから流通している。金や株や外貨と違って、石油は消費財であり、煙と消えてしまうものだ。
 また「原油価格は需給で決まらない」というのも重要なポイント。関岡さんは「価格硬直的である」、つまり値段が大きく上下しても生産量・消費量が(短期的に)あまり変化しない、という言い方をする。でも、同じ意味を込めて、「原油価格は需給で決まる」かつ「原油価格は需給で決まらない」と表現した方がおもしろいでしょ。(個人的趣味で恐縮ですが、トートロジーや二律背反表現が好きです)。
 原油市場は価格硬直的である、つまり、値段が下がっても売り手はいるし、値段が上がっても買い手がいる。価格は需給で決まらない。

 以前からこのブログで、石油需給の「構造転換」という表現をしているけれど、その意味がここにある。つまり、かつては「値段が下がっても売り手はいる」という側面が基調(そしてときどき高騰=石油危機が発生)となる時代が長く続き、一時の安定期(20ドル台後半)を経て、今は「値段が上がっても買い手はいる」基調の時代に突入したということ。
 「原油価格は需給で決まらない」と考えて「政府は石油価格を下げるような政策を取れ」と主張する人たちがいるけれど、そういう人には「石油価格は需給で決まる」と言ってあげたい。文句があるなら買わなければいいんだから。それが市場経済。

 このような、「値段が上がっても買い手がいる」状況が10~30年続くのではないか、と私は予想しています。その間、世界の原油生産量はおおむね横ばい(オイルプラトー)。そしてかつての時代との対称性が高ければ、その間に1~2回の暴落が起こるかもしれません。そしてその後、石油生産量が減少する時代(石油離れの時代)に入る。
 石油需給について文句を言っていると負け組になり、新しい状況に早く適応したものが勝ち組だろう、ということ。

|

« Long-Term World Oil Supply Scenarios を読み解く<1> | トップページ | シェル社長文書の意味するもの »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/35133/17114172

この記事へのトラックバック一覧です: 石油価格:

« Long-Term World Oil Supply Scenarios を読み解く<1> | トップページ | シェル社長文書の意味するもの »