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分散型エネルギー

google で「分散型エネルギー」を検索したら、随分といろいろな場面でいろいろに語られている。特別に定義された言葉でもない普通の言葉なので誰が何を語ってもいいのだけれど、「分散型エネルギー研究会」設立メンバーの一人として、自分たちがどういう意味でこの言葉を選んだか、を書いておきたい。

 ことのおこりは1988年夏のこと。デンマークのフォルクセンターで「再生可能エネルギーと地域生産」という環境NGOの国際会議が開かれた。日本からは故・高木仁三郎さんが招待されたが病気入院中で、代わりに故・松岡信夫さんが出席。帰国した松岡さんが「decentralize」というキーワードが飛び交っていた、と報告してくださった。
 これを聞いて私たちは「それだ!」と思い、それをキーワードにした研究会の設立を決定。そこで悩んだのが日本語にどう訳すか。「分散型」とするか、「分権型」とするか。
 本当は「分権型エネルギー」としたかったのだけれど、当時の状況では多くの人にはわからないのではないかと考え、よりわかりやすい「分散型エネルギー」という訳語を当てて「分散型エネルギー研究会」を設立したのが同年12月のこと。今だったら「分権型エネルギー研究会」にしていたと思う。(分散型エネルギー研究会は1999年に解散)

 「分散型エネルギー、とはどういう意味ですか?」と聞かれたとき、私は次のように答えることにしている。
 立体を図面で表現するときに、「平面図」「側面図」「正面図」の3枚の図面で表すことがあります。もしもエコロジカルな社会をこの3つの図面で表したとすると、どうなるでしょうか。
 まず平面図は自然科学的な面です。物質循環や環境容量を守った社会になっているかどうか。エネルギーについては「再生可能エネルギー(renewable energy)」であることが求められます。
 側面図は自然科学と社会科学の接点。地理学的な面です。エコシステムはローカルなサブシステムの調和に支えられています。エネルギーについては「地域エネルギー(local energy)」が重要な概念です。
 正面図は社会統治を表しています。政治や社会的意思決定という面です。エコロジカルな社会は全体の調和が必要ですが、意思決定については中央集権では実現できないでしょう(仮に実現できたら、それはいわゆるエコファシズムかもしれません)。分権、あるいは地域自律が必要です。エネルギーについては「分散型エネルギー(decentralized energy)」でなければなりません。
 再生可能エネルギー・地域エネルギー・分散型エネルギーという3枚の図面で描かれたエネルギーシステム。それがエコロジカルなエネルギーシステムではないでしょうか。

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コメント

お、動き出したね。リンクしときます。

投稿: t_t | 2006.09.29 01:01

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