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クールビズについて

 クールビズについて「温暖化防止の大義を振りかざして服装を規制される」という反発があるようです。
 前回サマータイムについて書きましたが、クールビズに関しても、「温暖化防止」はある意味「たまたま」であって、もっと深い意味があると私は考えています。

 日本で古くから着用されていた和服は、衿が開いており日本の夏に適していると言います。「呉服」というくらいだから多分中国の南の方から伝わった服装がベースかと思いますが、彼の地の気象条件は比較的日本と似ているでしょう。
 それに対して、ヨーロッパは日本より寒冷な上夏の湿度が低いので、日本と大きく異なる気象条件です。にもかかわらず日本人は和服を捨て洋服を取り入れてしまった。
 同じ洋服を取り入れるのでも、熱帯地方(たとえば東南アジア)の場合には、スーツは無理。公式の場でも開襟シャツが広く使われています。日本は、夏の一時我慢すればなんとかなる気候だったのでスーツまで取り入れてしまい、その後我慢するのがいやだということで過剰冷房に走った。
 (我慢=無駄づかいという構図は、住宅構造にも言えます。閑話休題)

 鹿鳴館に象徴される明治の日本の状況を思えば「まずは何でもヨーロッパのものを取り入れる」という段階を通過したこともやむを得ない。けれど、そろそろそれを自らのものとして咀嚼する時期になっているのではないか。
 かつて中国文明を受け入れたときと同様、一時的にワッと取り込んで、次に咀嚼段階に入るという、おなじみのパターン。

 しかも、問題は日本だけの話ではない。軍事力・技術力を背景にヨーロッパ文明が世界を席巻した後、各地の文化・文明が独自性を主張し、本来の力を撮り返そうとしているのが現在の情勢ではないでしょうか。単純な復古主義ではなく、ヨーロッパ文明の影響を受けた上で独自の新しい文化・文明を生み出してゆく時代。

 文化的貿易収支において、若者のおしゃれ文化部門では日本はすでに輸出国だと思います。原宿・渋谷は多くの観光客を海外から引き付けている。
 「おやじ族」はもう仕方ないかもしれませんが、クールビズをきっかけにどのような「おしゃれビジネスマン」が誕生するか、楽しみです。

 前回はサマータイムについて論じました。
 「地球にやさしい」は多くの場合「人にやさしい」と重なると思います。環境問題を扱っていると、福祉や人権と関わってくることが多い。サマータイムもクールビズも、とりあえず地球環境問題の観点から提起されはしましたが、本来、もっと深い意味があると私は考えています。
 「ヨーロッパ文明による席捲」「人が機械に合わせる社会」という状況を変え、人間中心の多様な文化・文明が各地で生まれる時代に入る、そういう認識で問題をとらえたい。

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