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サマータイム試論

サマータイム法案が出そうだとか、省エネとの関係で話題になっていますが、少し異なった観点からの私見をば。少々長いので、まあお暇なときにでも。

(1) 今の時刻システム
 1日を24時間、1年間を365.2422日とする現在の時刻システムはもちろん皆さんご存じのとおり。でもこの時刻が太陽の南中時刻を基準にしているということをご存じない、あるいは意識していない方が多数ではないかと思います。(厳密に言えば「平均太陽の南中時刻」ですが、議論を簡単にするため平均太陽と真太陽の違いは無視します)
 なぜ南中時刻を基準にするかというと、年間を通じて1日の長さを24時間に固定するためです。日出や日没の時刻は太陽高度の影響を受けるため、これらを基準にすると1日の長さが一定になりません。次に述べる江戸時代の時刻システムと比べれば差は明確です。
 1時間の長さ1日の長さを常時一定にすることを優先している、という意味で「機械の時間」と呼んでいいと思います。


(2) 江戸時代の時刻システム
 江戸時代には日出・日没を基準にした時刻が用いられていました。日出が卯の正刻(午前6時)、日没が酉の正刻(午後6時)で、昼と夜をそれぞれ6等分して時刻を現したわけです。昼と夜で、また季節によって1刻(1時間)の長さが変化することから「不定時法」と呼ばれています。(どこぞのHPによると西洋でも14世紀始め頃までは不定時法だったそうです)
 生体リズムの観点から考えると、不定時法の方が合っていると私は思います。少なくとも、体で感知できる情報を元にして時刻を刻んでいる。日出・日没にともなう明るさの変化は目で察知できるだけでなく、体に様々な影響を与えています。それに対して南中時刻に体は反応しない。現在の時間システムを構築するには天文学的知識と観測が不可欠です。
 「夏は昼の1時間が長く、冬は1時間が短い。したがって夏は過剰労働になり、冬は不足労働になる。」というのは、おそらく現代社会の観点から見た評価でしょう。昼の長い(というより農作業量の多い)夏には長時間働き、昼の短い農閑期の冬にはあまり働かない、というリズムは不自然でない。冬季鬱病と冬眠の関係が論じられるくらいなので、季節によって活動量に変化があることも生理的合理性がありそうです。
 江戸時代にはすでに西洋式の機械時計があったのだから、やろうと思えば1時間の長さを固定することもできた。にもかかわらずそうしなかったのは、不定時制の方が都合よかったということでしょう。
 現代の時間システムが「機械の時間」であるのに対して、江戸時代の時間システムは「生理的な時間」または「エコロジカルな時間」と呼んでいいでしょう。

 余談ですが、西洋から輸入された時計を改造し、不定時制に対応(季節や昼夜間で1時間の長さが変えられるように)したのが和時計です。生理的時間に機械の方を合わせようとした時計職人の努力は立派だと思いますし、機械をごちゃごちゃいじってそういうものを作ってしまう日本人の職人根性(現代にも活きている)が私は好きだったりします。


(3) 現代的技術解(人にやさしい時刻システム<1> )
 というわけで「人にやさしい時刻システム」という観点で考えると、今のシステムより江戸時代のシステムの方が優れていると私は思います。
 では、江戸時代のシステムに切り替えられるか、というと、さすがにこれは難しいでしょうね。当時は2時間(1刻)単位でのんびり時間を使っていたのに対して、現代は分秒単位で社会が動いている。しかも機械に対して人間が配慮しなければならない。
 そこで人間と機械の折衷案を考えてみました。

 江戸時代には日出と日没の両方を基準にしていましたが、生理学的に言えば、日出の方が重要性が高い。暗→明の変化で体内時計がリセットされるからです。したがって毎朝日出の時刻が午前6時になるようにすれば「人にやさしい」という必要度のかなりの部分が満たされると考えられます。そして1時間の長さは固定する。
 この方式の弱点は春秋に1日の長さが変化してしまうこと。毎日日が長くなる春には1分ほど短く、逆に秋には1分ほど長くなってしまいます。したがって、毎日たとえば午前2時に「うるう分・秒」をはさむ必要が生じる。
 これは技術的には対応可能です。時計をすべて電波時計にするかインターネット接続すれば済むだけの話し。専用の時計チップを開発することだって難しくない。深夜の1分間なら社会的にも大きな問題はなさそう。為替や商品の国際取引は生活時間と関係ないのでグリニッジ標準時に統一してしまえばいい。

 現代人は自律神経のリズムを崩しがちですが、自然光のリズムと生活のリズムを同期させることでだいぶ改善できるのではないでしょうか。小池百合子風に言えば「自律神経のリズムが良くなって不妊が減り、少子化にブレーキがかかる」といったところ(もちろんネクタイもやめましょう)。


(4) 過渡的妥協案(人にやさしい時刻システム<2> )
 技術的に可能と言っても、なかなかすぐに(3)のようなシステムに移行するのは難しい。そこで過渡的な妥協案。
 日本は夏と冬で日出の時刻が2時間半ほど異なるため、1時間ずつ2回、年間4回だけ調整する。4月中旬から8月は春秋より時刻を1時間早め、11月中旬から2月は1時間短くする(日本標準時で日出が5:30~6:30におさまるようにする)。

 これなら年間4回だけの調整で済む。
 え? 年4回でも手間が大変ですか? ええい、それなら仕方ない。当面夏だけ1時間早めるというのでどうだ!!


(5) 私的補足
 目覚しで起きるより、朝日で自然に目覚めた日の方がはっきり体調が良い。そういうわけで、寝室のカーテンは日が入るよう調整しています。

 なんて偉そうに書くけれど、深酒してたいがいの日は寝坊してるんですな、これが。
 でも「たま」には朝日で起きるのですよ。夏だと4時半~5時くらい。フレックスに仕事している私でも、これは早すぎる。で、結局二度寝。
 サマータイムが待ち遠しい私です。

 「深酒やめるのが先だろう!」 ハイ、そのとおり....

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受信: 2005.03.19 19:18

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